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第95回<「有事のドル買い」は、過去のもの(?)>

 

先週のドル/円は、101円台で週を明けた後、堅調に推移しました。また週末には大幅上昇、一時104円台まで上昇しました。ただしその後下げ戻し、103円台で週を終えました。
全般的に堅調に推移したのは、米株式市場の底堅さが背景にありました。また週末に大幅上昇したのは、主に米シティグループの決算発表を受け、最悪の時期は脱したとの見方が投資家の間に広がったためでした。

さて本レポートでは、数回にわたって、ファンダメンタル分析やテクニカル分析における「常識のウソ」について述べてきました。今回は、「有事のドル買い」について述べてみたいと思います。

FXでは「有事のドル買い」という格言があります。
米国は強い軍事力を備えていますので、従来、国際紛争や戦争などの「有事」の際には、安心感を求めて米ドルが緊急避難的に買われる傾向にあったためです。
しかし最近は、この格言が通用しない場面もみられるようになりました。特に2001年に米国を襲った「9.11同時多発テロ」以降は、この格言があまり通用しにくくなったようです。

ご承知のとおり、9.11テロでは、米国本土の中枢ともいえるニューヨークの世界貿易センターとワシントンの国防総省が攻撃され、大量の死者が出てしまいました。
堅牢な建物が瞬く間に崩れ行く様子が全世界に映し出され、「アメリカはこんなにもろいものだったのか」というイメージを投資家達に与えてしまったのです。
それ以降、「有事のドル買い」神話は徐々に崩れ始め、国際紛争や政情不安が起きるたびに、「次は、アメリカ本土が危ない」という憶測が流れるようになりました。

最近では、国際紛争や政情不安などが浮上した場合は、永世中立国のスイスフランや第二の基軸通貨とされるユーロに資金逃避する投資家が増えています。
さらに2007年、米国発のサブプライム問題が世界の金融市場に信用不安をもたらしたときには米国株が急落し、ドルだけでなくユーロなどの主要通貨も大きく売られることになりました。すると投資資金は、株でも為替でもない原油や金などの商品相場へと流れていったのです。
いずれにしても、「有事のドル買い」というかつての格言がほとんど通用しなくなっていることは、事実として受け止める必要があるでしょう。

 

参考文献『外為FX失敗に学ぶ成功の法則 』(宮崎哲也著、秀和システム)
    『これを知らずに外貨投資・FXやってはいけない』拙著・テクスト刊 
    『外為FX 買い時・売り時がわかる本』拙著・秀和システム刊
    『わかる!!儲かる!!外貨投資FXのしくみ』拙著・ナツメ社刊

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