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第92回<テクニカル分析にも常識のウソがある 〜ゴールデンクロスの場合〜>

 

先週(2008年3月24日〜28日)のドル/円は、99円台で寄りついた後、堅調に推移していましたが、100円台後半では上値が重く、一度101円を突破した後、反落しました。週末に何度か100円台まで回復する場面はありましたが、結局、99円台で週を終えました。

先週はじめの上昇は、24日発表の米中古住宅販売が7カ月ぶりに前月比プラスとなったほか、米証券大手ベアー・スターンズの買収額が引き上げられたことなどがドル買い材料となったようです。
とはいえ、ドル買いの動きが長続きしないところを見ると、やはり市場関係者は、まだまだ米景気に対して予断を許さない状態と判断していると思われます。

さて本レポートでは、数回にわたって、ファンダメンタル分析やテクニカル分析における「常識のウソ」について述べてきました。
今回は、テクニカル指標の中でも非常にポピュラーな移動平均線の「ゴールデンクロス」の常識のウソについて考えてみたいと思います。

移動平均線は、一定期間の終値を平均してその値をグラフ化したものです。平均値を割り出す期間の短い方から、「短期線」「中期線」「長期線」と呼ばれます。初歩的なテクニカル指標のひとつに分類されます。

移動平均線は、相場のトレンド(傾向)をつかむために利用されることもありますが、複数の移動平均線の位置関係を見て、売買のタイミングを計る目安とされる場合もあります。
中でも短期(中期)線が中期(長期)線を下から上に突き抜ける「ゴールデンクロス」は、買いサインとして非常に有名です。
一般的に、ゴールデンクロスが現れれば、買いのサインとみなされます。皆さんも、そのように理解しているかたが多いのではないでしょうか。

そこで、実際にNZドル/円のチャートで、ゴールデンクロスと値動きの関係を見てみることにしましょう。

<NZドル/円 日足 (2007年12月3日〜2008年3月28日)>

ゴールデンクロスが形成される(○で囲んでいる箇所)までは、ほぼ一本調子で上昇しています。しかし、ゴールデンクロスの形成とほぼ同時期に反落、その後もしばらく下落基調が続くこととなってしまいました。つまり、ゴールデンクロスが出たからといって、それが必ずしも買いサインとなるわけではないということです。
ちなみに、この時期のRSIストキャスティクスの動きを見ると、一部の数値が70%を上回るなど「買われ過ぎ」の傾向が現れていました。
したがって、本レポートで繰り返し述べているように、相場分析においては、単独のテクニカル指標に頼り過ぎず、他のテクニカル指標が示す傾向やファンダメンタルズの強弱なども勘案する必要があるのです。

 

参考文献『外為FX失敗に学ぶ成功の法則 』(宮崎哲也著、秀和システム)
    『これを知らずに外貨投資・FXやってはいけない』拙著・テクスト刊 
    『外為FX 買い時・売り時がわかる本』拙著・秀和システム刊
    『わかる!!儲かる!!外貨投資FXのしくみ』拙著・ナツメ社刊

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