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第90回<テクニカル分析にも常識のウソがある 〜RSIの場合〜

 

先週(2008年3月10日〜14日)のドル/円は、102円台で寄り付いた後、103円台まで上昇しましたが、その後は続落し、一時99円台をつけるなど、円高の展開となりました。今週に入ってもドル安の勢いは止まらず、ついに一時95円台をつけることとなりました。実に12年7ヵ月ぶりのドル安・円高水準です。
FRB(米連邦準備理事会)による公定歩合の緊急引き下げに加え、大手銀行のJPモルガン・チェースが米証券大手のベアー・スターンズを買収すると発表し、他の企業に対しても経営悪化の観測が生まれたことなどが原因と考えられます。

つい最近、米欧などの金融当局が資金供給の協調行動を発表したばかりなのに、為替市場ではドル独歩安が加速している状態です。米国のサブプライム問題の影響で、米国経済がすでにリセッション(景気後退)の局面に入り、今後も米当局が積極的な利下げに動くとみられたことなどが原因と考えられます。

このように、弱いファンダメンタル要因がいくつも存在する時期には、テクニカル指標があまり役立たない場合もあります。例えば、RSIなどでもそうです。RSIとはRelative Strength Index(レラティブ・ストレングス・インデックス)の略で、日本語では「相対力指数」といいます。
一般に、RSIが70%(80%)を超えると「買われ過ぎ」とみなされ、その通貨が売られやすくなるといわれています。反対に、30%(20%)を下回ると「売られ過ぎ」とされ、その後は買われやすくなるといわれています。
  
この「常識」は、すべてのケースに当てはまるといえるのでしょうか。 
例えばドル/円の場合、3月に入ってから、RSIは30%を割り込む「売られ過ぎ」の状態に入っていました。にもかかわらず、ドル/円はずるずると下げ、100円をも割り込んでしまう展開となったのです。 

このように、RSIのみを頼りにして売買のタイミングをはかろうとすると、適切な時期に決済できず、充分な利益を確保できなかったり、思わぬ大きな損失を出してしまうことも可能性もあるのです。したがって、RSIは単独ではなく、他のテクニカル指標やファンダメンタル要因と組み合わせて相場分析に用いるべきでしょう。

 

参考文献『外為FX失敗に学ぶ成功の法則 』(宮崎哲也著、秀和システム)
    『これを知らずに外貨投資・FXやってはいけない』拙著・テクスト刊 
    『外為FX 買い時・売り時がわかる本』拙著・秀和システム刊
    『わかる!!儲かる!!外貨投資FXのしくみ』拙著・ナツメ社刊

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