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第88回<為替相場では、事実より要人発言(?)

 

先週(2008年2月25日〜29日)のドル/円は、107円台で寄り付き、一時108円台まで上昇したものの、その後、急反落し、週末にかけて103円台まで下落してしまいました。

米消費者信頼感指数が5年ぶりの低水準となったことや、FRB(米連邦準備理事会)の副議長がインフレ懸念よりも米景気減速懸念のほうが上回っているとの見解を示したことなどにより、ドルが大きく売られたのです。また今週に入ってからも一時102円台をつけるなど、軟調な展開が続いています。


ところで先週は、上記の材料とは別に大きなドル安材料が出ました。

バーナンキFRB議長の議会証言です。議長は景気判断について、2007年に急激に減速した景気は、少なくとも2010年までは通常レベルに戻らないとの見方を示したのです。「リセッション(景気後退)」という言葉こそは用いなかったものの、市場関係者は、米景気が非常に深刻な状況に陥っていると判断したわけです。


このように、要人の発言が為替相場に大きな影響を及ぼすことは、それほど珍しくありません。例えば2005年には、トリシェECB総裁が利上げ発言と利下げ発言を交互に繰り返し、それにつれてユーロが乱高下したことがありました。

またRBNZ(ニュージーランド準備銀行)が2007年7月に利上げを実施したときもそうでした。通例、利上げが実行された国の通貨は買われやすいとされています。しかしこのときは、ボラードRBNZ総裁が利上げ打ち止めを示唆したこともあり、NZドルが売られたのでした。

つまり、「利上げ」という事実より「これで利上げは打ち止め」という議長の発言内容に、市場が反応したというわけです。


このように、市場参加者には要人発言の内容を分析して、事実とは別に「こうなるかもしれない」という観測のもとに売買を行う傾向がみられます。そのため、為替などの相場においては利上げや利下げなどの「事実」だけでなく、「要人発言」の内容も注視する必要があるのです。

参考文献『外為FX失敗に学ぶ成功の法則 』(宮崎哲也著、秀和システム)
    『これを知らずに外貨投資・FXやってはいけない』拙著・テクスト刊 
    『外為FX 買い時・売り時がわかる本』拙著・秀和システム刊
    『わかる!!儲かる!!外貨投資FXのしくみ』拙著・ナツメ社刊

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