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第84回<相場の「常識のウソ」に気をつけよう!

 

先週(2008年1月28日〜2月1日)、米国で、投資家にとって大きな出来事がありました。FOMC(米連邦準備公開市場委員会)における政策金利の引下げです。1月22日に0.75ポイントの緊急大幅利下げが決定されたのに続き、30日(日本時間、31日午前4時ごろ)のFOMCでも0.5ポイントの利下げが決定されたのです。

利下げ発表後、ドル/円は発表前の水準(107円前半)から、数時間後には106円前半まで約1円もの下落となりました。一般に、利下げが実行された国の通貨は売られる傾向にあるので、この動きは定石どおりと考えることもできます。

しかし、利下げが決定すれば、いつでもその国の通貨が売られるとは限りません
例えば、1月22日に米国で緊急利下げが決定された直後は、ドル/円が活発に買われました。また少し時期を遡ってみると、2007年9月に同じく米国で0.5ポイントの利下げが決定された直後も、ドル/円は大幅に買われました。
いずれも、利下げによって米国の景気減速懸念が後退し、米国株が上昇したことにドル/円相場が連動した格好となったわけです。

では、冒頭にお話した30日の利下げではどうだったのでしょうか。利下げを受けて米景気減速が後退し、発表後に米国株が買われた、というところまでは先の2つの例と同じだったのですが、このときは「米国株高→ドル買い」の図式は成り立たなかったのです。
度重なる利下げを受けて、市場の視点が「米景気減速懸念の後退」から「日米金利差の縮小」に移ったことが、その理由のひとつと考えられます。

このように、市場の反応しだいでは、同じ国であっても、政策金利の引下げが為替相場に与える影響はまったく異なったものとなることもあるのです。つまり、例えば米国で利下げが行われたからといって、必ずしもドルが売られるとは限らない、というわけです。これはドルに限らず、ユーロやオセアニア通貨などにも言えることです。特に相場が荒れているときは、リスク軽減のためにも、こうした「常識のウソ」を踏まえて取引することが肝要です。

参考文献:『これを知らずに外貨投資・FXをやってはいけない』(拙著、テクスト刊)

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