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第83回<最近よく耳にする「モノライン」とは>

 

先週火曜日(2008122日)の夜、FRB(米連邦準備理事会)は、緊急FOMC(米連邦公開市場委員会)を開催し、米国の政策金利であるFFレートについて0.75ポイントの緊急利下げを決定しました。通例、中央銀行が利上げや利下げを行う場合は、0.25ポイントずつ行われることが多いので、0.75ポイントは、かなり大きな利下げ幅ということになります。
にもかかわらず、市場には根強い米景気減速懸念が渦巻いているようです。事実、緊急利下げ効果は1日ほどしか持続せず、米国株は相変わらず軟調で、為替相場も、翌23日の夜には105円をも割り込む展開となり、その後回復したものの、106円台後半では上値の重い展開となっています。

このように、米当局が様々な策を講じても、市場に響かない状況となっています。この背景には、「モノライン」と呼ばれる金融信用会社に対する不安感も少なからず影響しているようです。
この「モノライン」については、最近、新聞・テレビ等で目にするがよくは知らない、というかたも多いのではないでしょうか。そこで今回は「モノライン」について述べたいと思います。

「モノライン」とは、元来、企業が一つの商品やサービスを専門に取り扱っていることを示しています。複数の自動車や火災など様々な保険を扱う「マルチライン」に対し、金融商品の保証を専門に手がける保険会社が「モノライン」というわけです。モノとはmono、すなわち単一のという意味です。モノローグ(一人芝居)のモノと同じですね。
モノラインの具体的な役割は、債券を発行する企業や地方公共団体などから保険料を受け取り、債務が不履行になった場合には、モノラインが企業や地方公共団体に代わって、債権者に支払いを実行することです。
従来、モノラインは、トリプルA水準と最高の格付けを維持しているところが多く、信用力が低いサブプライムローン関連の証券化商品が高い格付けを得ていたのも、信用度の高いモノラインが、背後に控え元利金の支払いを保証していたからでした。
モノラインは、米国の住宅市場の好調や旺盛な個人消費を背景に、サブプライムローンなどが組み込まれた金融商品の保証を引き受け、収益を拡大してきました。その保証額は2兆ドル(約214兆円)を超えるとも言われています。ちなみに、これはフランス一国分の名目GDP(約2兆2400億ドル、2006)に相当します。

しかし、サブプライム問題が拡大するにつれて、モノラインが実際に支払いを実行しなければならない事案が一気に増えてしまいました。このため、モノラインの一社が破綻状態となり、さらには大手のモノラインも巨額の損失をこうむることとなってしまったのです。

こうした動きを受けて、フィッチ・レーティングスという格付け会社は、4大モノラインの一つといわれるアンバック・アシュアランスの格付けを最高位のトリプルAから2段階引き下げることにしたのです。
これが市場に大きな動揺を与えました。モノラインの経営が行き詰まれば、モノラインが保証する金融商品の信用が大きく低下し、価格が暴落する恐れがあるからです。今後もモノラインの格下げが続くようなことがあれば、さらに信用不安が高まる可能性も否定できません。

今週は、注目されているFOMCをはじめ米GDP(国内総生産)や米個人消費、さらには米雇用統計といった数多くの重要指標の発表が控えています。これらの内容とともに、モノラインの動向も注視したいものです。

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