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第81回<ドル安と政府系ファンド>

 

先週(2008年1月7日〜11日)のドル/円は、一時110円台まで回復しましたが、その後は下落が続き、11日には108円台まで下落しました。今週に入っても回復の兆しはみられず、ついに108円をも割り込んでしまいました。
特に今週はシティグループやメリルリンチといった米大手金融機関の決算を控えています。追加損失が明らかになるようなら、ドルは一層売られやすい地合いとなる可能性が高くなります。

長引くドル安不安が、政府系ファンドの資産運用にも影響を与えているようです。本レポートでも、政府系ファンドについて何度か触れたことがありますが、今回は、資産運用という観点で、政府系ファンドについて述べることにします。

政府系ファンドとは、政府が国家資産を運用するために設立したファンドで、英語ではSWF(Sovereign Wealth Fund:ソブリン・ウェルス・ファンド)といい、「国富ファンド」などという呼び名もあります。ちなみにSovereignとは、「君主である」「最高の」などの意味ですが、これが転じて「国家の」という意味合いでも使われています。またWealthには、富や財産という意味があります。

政府系ファンドには、主に外貨準備を資金源とする「外貨準備型」と、石油や天然ガス等の販売収入を資金源とする「オイルマネー型」の2種類があります。
外貨準備型としては、中国の「中国投資有限責任公司」やシンガポールの「テマセク・ホールディングス」が、オイルマネー型としては、アラブ首長国連邦の「アブダビ投資庁」などが有名です。また中東産油国ではありませんが、ノルウェーの政府年金基金も、石油を資金源としたオイルマネー型に入ります。

政府系ファンドの特徴は、その運用資産の規模の大きさにあります。例えば、シティグループへの出資で話題になったアブダビ投資庁の推定資産は、8,750億ドルと群を抜いていますが、これは実に韓国の名目GDP(2006年:8,874億ドル)に相当します。

従来、政府系ファンドは、その資産のほとんどを米国債に投資していました。しかし、多額の「双子の赤字」を抱えたうえ、サブプライム問題で窮地に追い込まれている米国の行く末を案じる見方が増えています。そのため、米国債中心の投資から、株や不動産などへの投資へと移行する政府系ファンドが増えているのです。

以前、中国の政府系ファンドが日本株投資の可能性を示唆したことで日本株が急上昇し、円高になったことがあります。これに限らず、政府系ファンドの動向は、株式相場ひいては為替相場に少なからず影響を与えることになるでしょう。今後もぜひ、政府系ファンドの動向を注視しておきたいものです。

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