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第78回<サブプライム緊急対策の影響はいかに?>

 

先週(2007年12月10日〜14日)のドル/円は、前週の流れを受けて111円台後半で寄り付いたものの、11日(NY時間)に110円台半ばまで急落しました。しかし翌12日には急反発して112円台まで上昇、その後も堅調な展開となり、113円台で週を終えました。急落と急反発が立て続けに起こるという、目まぐるしい週でしたが、その台風の目は、いずれも「FRB(米連邦準備理事会)」でした。

まず、11日の急落は、FOMC(米連邦公開市場委員会)の結果を受けてのものでした。この日FRBは、FOMCにおいて公定歩合とFFレートをそれぞれ0.25ポイント引下げたのです。また注目された声明文は、住宅市場の冷え込みや個人消費の悪化等を指摘し、米景気の減速に対する強い懸念を示すとともに、今後の追加利下げに含みを持たせる内容となりました。
0.5ポイントではなく、0.25ポイントの利下げにとどまったため、市場では、米景気を立ち直らせるには至らないとの見方から米国株が売られ、それがドル売りにも転化されたわけです。

しかしその翌日、すぐにドルは急反発しました。米国、欧州、スイス、イングランド、カナダの5つの主要中央銀行が、協調して各国の短期金融市場に大量の資金を供給する緊急声明を発表したためです。特にFRBは、年末までに最大4百億ドルの資金を供給する方針で、これほどに大規模な協調行動をとるのは異例中の異例のことです。
もちろん、これで現在の金融機関が抱えている問題が完全に解決するわけではありません。しかし、各国の中央銀行が必死で打開策を模索していることが市場に好感され、米株式相場が急反発、またそれがドル買いの活発化へとつながったのです。

ただし、やはりまだこれで一件落着というわけにはいきません。これほどに大掛かりな資金供給に踏み切るほど、FRBは米景気に強い懸念を感じているという考え方もできるからです。また「主要中央銀行」としながら、これら5つの中には日銀が入っていません。ということは、日本の景気は資金供給を必要とするほど悪化していないという考え方もできます。
それに12日には大幅に上昇した米株式相場も、14日にはCPI(消費者物価指数)の大幅上昇でインフレ懸念が台頭し、大幅反落となるなど不安定な動きとなっています。これらのことからみると、再び「ドル安・円高モード」にスイッチが入ることもないとはいえません。しかもクリスマス時期も近づいてきましたから、年末にかけては神経質な展開となる可能性が高まります。なおいっそうの注意を喚起したいと思います。

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