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第76回<政府系ファンドと為替相場の関係>

 

先週(2007年11月26日〜30日)のドル/円は108円で週を明け、一時、107円台前半まで下落しましたが、程なく上昇に転じ、その後は堅調に推移。最終的には111円台で週を終えました。バーナンキFRB(米連邦準備理事会)議長の追加利下げに前向きな姿勢が米景気減速懸念の後退につながると市場で受け止められたことなどが、ドルの支援材料となったようです。また今週に入ってからも110円台で比較的底堅く推移しています。

このように、ようやく下げ一服の兆しもみえてきたドル/円ですが、一方で新たなドル安・円高材料も浮上しています。中国の政府系ファンドが日本株投資を開始する、という報道もその一つです。11月26日の報道によれば、中国は外貨準備の一部を運用するために、今年9月に設立された政府系ファンド「中国投資有限責任公司」の関係者が、日本経済新聞の取材に対して、今後、日本株に投資する意思を示したというのです。

政府系ファンドとは、政府が国家資産を運用する目的で設立したファンドを指します。中国だけでなく、原油価格の高騰により巨額の収入を得た中東産油国などにもみられます。なかでも、UAE(アラブ首長国連邦)の「アブダビ投資庁」や「ドバイ・インターナショナル・キャピタル」などが有名です。

ところで、中国の政府系ファンドが日本株に投資する場合、日本円が必要になるため、政府系ファンドが保有している外貨を売って日本円に換えますから、円買い要因となります。また、中国当局は今年4月に米財務省証券(TB)を大量に売却しましたが、日本株への投資を開始すれば、さらにTBが売却される可能性があります。
前回も解説したように、米国は双子の赤字の一つである財政赤字をTBによって埋めています。したがって、TBが売られるとなれば米国財政への懸念が生じ、ひいてはドル売り要因とみなされる可能性が高まるというわけです。

いずれにしても、中国の貿易黒字拡大は今後しばらく継続するものと思われます。その巨額な外貨の運用先は、市場関係者から注目されることとなるでしょう。

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