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第73回<米国発の大恐慌が襲来する!?

 

先週(2007年11月5日〜9日)は、ドル/円が114円台で週を明けた後、週半ばからドル全面安の展開となり、週末には110円台までの大幅下落となりました。今週に入ってからも下落が続き、ついに110円も割ってしまいました。

この一連の大幅下落には、やはり米国のサブプライムローン問題が強く影響していると考えられます。特に先週から今週にかけて、日米欧の大手金融機関のサブプライムローン問題による損失額に関する報道が次々になされ、市場では先行き不透明感が高まっているためです。
中でも米金融大手のシティグループは、7−9月期決算のサブプライムローン関連による損失が65億ドルにものぼると発表し、そのほかにも追加損失が80〜110億ドルに膨らんでいることが判明しました。

ところで先週7日、このシティグループが、傘下にあるSIV(投資ビークル:Structured Investment Vehicle)に総額76億ドルを融資したとの報道がなされました。SIVとは、短期のコマーシャルペーパー*(CP)を発行して調達した資金で、住宅ローン担保証券(MBS)や不動産等を担保にした債務担保証券(CDO)などに投資する投資会社です。シティグループが1988年に本体の財務と切り離した特別目的会社として設立したのが最初で、その後、欧米の主要金融機関も相次いで設立しました。

これらSIVは、シティグループの連結会計*の対象ではありませんが、SIVが破綻に至った場合、グループ全体が悪影響を受けると考え、融資に踏み切ったと思われます。ただし、その額は、あらかじめ資金難に備えて確保していた融資枠の8割近くにも及んでいて、かなり苦しい実態が浮き彫りとなっています。

また今後、サブプライムローン問題の余波は、金融機関だけでなく、やがて米国GDP(国内総生産)の7割超を占める個人消費へと波及する可能性もあり、最悪の場合は米国発の大恐慌へと発展する可能性も秘めています。
そのメカニズムについては、次回、解説したいと思いますが、事の成り行きしだいではドルの未曾有の暴落もないとは言えませんので、今後の動きには特段の注意が必要です。

 

*コマーシャルペーパー:企業が短期資金の調達のために発行する無担保約束手形の一種。
*連結会計:グループ全体の損益を把握するため、親会社と子会社をあわせて決算書を作成すること。

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