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第72回<政策金利と為替相場の関係>

 

先週(2007年10月29日〜11月2日)のドル/円は、一時期116円近くまで上昇しながらも、信用不安の再燃により米国株が大幅下落したことを受けて、114円台へと急落、その後も軟調な展開が続いています。

ところで、先週10月31日に米国でFOMC(米連邦公開市場委員会)が開催され、0.25ポイントの利下げが実施されました。
一般的に、利下げが行われる場合、それだけその国の景気見通しに懸念が生じていることが多いです。また、金利の低下は通貨を保有する際のメリットを低下させます。したがって、利下げ観測が出ている国の通貨は売られるとみるのが一般的です。
しかし、常にそうなるとは限りません。それどころか、大幅な利下げによって逆にその国の通貨の上昇が進んだ例もあるのです。

2007年9月に開催されたFOMCでは、0.5ポイントの利下げが実施されました。通例、利上げや利下げは0.25ポイントずつ行なわれることが多いので、0.5ポイントは、かなり大幅な利下げといえます。いいかえれば、サブプライム問題などの影響により中途半端な利下げでは間に合わないと判断されるほど、米景気に対する先行き懸念が高まっていたということもできるでしょう。
しかしそうした懸念とは裏腹に、市場は利下げを好感し、ドルが大幅に買われたのです。FOMCで利下げが発表された翌日の東京市場では、前日比1円高と大幅にドル高が進みました。
ちなみにこのとき、利下げ幅が0.5ポイントではなく、0.25ポイントにとどまっていたら、あまりドル買いが進まなかったのではないか、と見る人もいました。つまり、思い切った大幅利下げが実施されたからこそ、市場参加者は「この利下げが米国の景気回復の突破口となるかもしれない」という希望を抱き、大幅なドル高が起きたというわけです。

このように市場の受け止め方次第では、政策金利の引き下げがその国の通貨を押し上げる要因になるという、常識とは裏腹のパラドキシカル(逆説的)な結果が生じうることも忘れてはなりません。

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