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第62回 <サブプライムローン問題(2)>

 

前回は、サブプライムローン問題の内容と市場が混乱に陥るまでの経緯について述べました。今回は、サブプライムローン問題が大きな影響を与えた理由や今後の為替相場への影響についても考えてみたいと思います。

サブプライムローンの制度自体に問題があることはすでに述べたとおりですが、その傷をさらに深めた理由には、サブプライムローンの債権が証券化されて様々な金融商品に組み込まれていることがあげられます。

証券化とは、不動産や金融機関が有する貸付の債権などを細かく分割し証券に組み替えて投資家などに売却し、流動化させることです。
サブプライムローンの債権も証券化され、住宅ローン担保証券(RMBS:Residential Mortgage-Backed Securities)となり、それがさらに切り分けられて様々な金融商品が作られました。元来、こうした金融商品はリスクをある程度回避するために作られるものですが、サブプライムローンの焦げ付きがひどくなったためにカバーできなくなってしまいました。
そのため、こうした金融商品に投資していた欧米の金融機関やファンド会社が相次いで損失を出してしまい、ほかの金融機関も損失を出してしまうのではないかという不安が一気に市場に広がったのです。またこうした金融商品の所有者が特定できず、節操なく広がっている点が事態をよりいっそう深刻にしています。

この事態を重くみた各国の中央銀行が、緊急で資金を投じるなどの対策を講じましたが、それぞれの歩調が合わず、事態の収拾には及びませんでした。そこでFRB(米連邦準備理事会)が、ついに8月17日(日本時間18日未明)に臨時FOMC(米連邦公開市場委員会)を開催、緊急措置として公定歩合を6.25%から年5.75%への引き下げに踏み切ったのです。
為替相場もこれを好感して、主要通貨は対円で回復の兆しをみせています。今後も米国はサブプライム問題を注視し、適宜対策をとっていくことが考えられるため、少なくとも今回の混乱は短期的には徐々に収拾の方向に向かっていくことでしょう。

しかしだからといって、この問題が根本的な解決をみたわけではありません。サブプライムローンの焦げ付きは現在も増加傾向にあることに変わりはないからです。サブプライムローンの多くが2004〜2006年に組まれたもので、支払額が低くて済む期間を2〜3年とすれば、今後ますます焦げ付きが露呈することになるでしょう。住宅価格の動向によっては、低金利期間の終了前に支払いが行き詰る債務者が急増することも考えられ、早ければ今年の10〜11月に焦げ付きがピークを迎えるとの見方もあります。

こうした背景から、サブプライムローン問題は、同じく米国における「双子の赤字」問題のように、折にふれ、再浮上して急激な値動きをもたらす可能性もあります。
今後もぜひ、注視しておかなければならない問題といえるでしょう。

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