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第61回 <サブプライムローン問題(1)>

 

先月(2007年7月)から今月半ばにかけて、株や為替などの金融市場が近年に例をみないほどの大混乱に陥りました。米国のサブプライムローンの焦げ付き問題がきっかけとなり、米国だけでなく世界経済に甚大な悪影響を及ぼすとの懸念が、一気にグローバル市場を巻き込んでしまったのです。


その影響は、米国、欧州だけでなく、アジアにある日本にも及びました。一例をあげると、7月下旬には1万8千円台で推移していた日経平均株価が、1ヵ月も経たずに1万5千円台まで急落。約3千円もの下げ幅となりました。為替相場でも、やはり7月下旬に122円台で推移していた米ドル/円が10円以上も急落し、一時111円台をつけたのです。

こうした一連の混乱は、「サブプライムショック」などと呼ばれています。いかに米国が経済大国といえども、なぜ一国の経済不安がグローバル市場に大混乱を巻き起こしたのかについて疑問が残るかたも多いかもしれません。そこで、サブプライムローンの問題点や今後の為替の影響について整理してみたいと思います。

サブプライムローンとは米国の住宅ローンの一種で、所得水準が低く信用力に乏しいと判断される債務者を対象としています。信用力の高い債務者を対象とした「プライムローン」に比べて金利が高く設定されているのが特徴です。
返済方法も独特です。例えば、I/O(Interest only)という方法。interestとは利息の意味で、その名のとおり返済開始から一定期間(1年〜3年)は利息のみを支払い、元金の返済は一定期間が過ぎた後の返済分に上乗せするというものです。あるいは、当初は利息分すら支払わず、すべてを一定期間経過後に支払っていく方法もあります。いずれを選んだ場合も「後になるほど苦しくなる返済方法」になっています。
したがって、サブプライムローンは、最初の数年間は返済ができたとしても、途中から急激に返済額が増加するために、焦げ付いてしまう危険を含んだ非常に危険なローンといえるでしょう。

それでも住宅価格が上昇している間は住宅の資産価値も比例して右肩上がりになるので、債務者もなんとか切り抜けることができました。しかし住宅市場の衰退により住宅の資産価値が急落し、返済資金の捻出が非常に難しくなってくると事態は一変します。事実、サブプライムローンの延滞率は、2005年には10%台であったのが、その後上昇(悪化)を続け、2007年の第一四半期で13.77%となっています。しかも、米国では返済が90日以上滞ると住宅が競売にかけられてしまいます。買い叩かれる住宅が増えれば住宅価格が下落しますので、資産価値もますます下がってしまいます。米国ではこうした背景から、ついに大手ローン会社が破綻するケースが出始めたのです。

以上が、サブプライムローンの内容と問題化するまでの簡単な経緯です。

ところでこの問題は、単なる住宅ローンの問題と片付けてしまうことはできません。今回
の騒動が全面収束になるとは限りませんし、その病巣は非常に根深く、広範囲に及んでいるからです。そこで次回は、サブプライムローン問題と世界経済との関係についてさらに掘り下げ、今後の為替相場への影響についても考えてみたいと思います。
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